わたしの意見-
水野 創

個人消費の先行き回復加速を期待する  

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2017年6月15日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 2017年1~3月、28年度の実質GDPの2次速報が公表された。

 1次速報比下方修正され、四半期(季節調整済)、年度の成長率は前期・前年度並みとなっている。回復の加速感はなくなったが、民間需要(個人消費と設備投資)と輸出の伸びで緩やかな回復が続いていることは確認できる。

 また、1次速報時に気になった①雇用情勢逼迫下の雇用者報酬伸び悩みと②消費性向の2期連続の上昇は、2次速報でも維持されている。

 雇用・所得については、ここに来て、過剰サービスの見直し(例:宅配の配達時間指定の見直しと値上げ)、新規投資の抑制(例:コンビニ、飲食等の出店の取りやめ)、省力化投資の推進(例:自動運転の開発強化)、時給引き上げによる雇用確保など多様な動きが目立っている。

 世界経済の回復、円安・株高基調継続の追い風の下で、こうした動きが全体として、『企業収益改善と労働分配率回復→雇用者所得増加→高齢化進行にもかかわらず消費税率引き上げ以降下がり続けていた消費性向の下げ止まりと消費拡大→遅れていた消費関連中小企業の回復』の好循環につながっていくことを期待したい。長い連鎖であり指標の動きに目が離せない。

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