わたしの意見-
水野 創
日本の金融政策は無風、関心は株価
水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]
(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2017年6月22日号に掲載)
水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]
日銀は金融緩和政策の継続を決めた(16日)。もっとも、多くの人の関心は漸く2万円を回復した日経平均株価の今後だろう。
株価を含め市場の先行きは誰にも分からないが、これまで日本の株価は米国株式市場と為替相場に反映して変化してきた。今後を考える際にも、まず、米国経済、為替相場を考えることになるだろう。
現在の米国の市場水準は、基本的にトランプ大統領選出後の期待に基づき、各市場で形成されたものだ。結果的に「株高、長期金利高、ドル安」となったが整合性はない。各市場は、その後、①米国経済の回復に対応したFRBの累次の利上げ、②大統領就任後、時間の経過とともに明らかになっている経済政策内容、を見極めつつ徐々に水準訂正をしている。
長期金利と為替は期待の行き過ぎの修正、一方、株価は米国経済回復に支えられ上昇している。
この間、わが国経済は業種別、企業規模別、地域別の差を伴いながらも緩やかな回復傾向を続けており、基調的な変化はない。
アベノミクス後の円安、株高のピークは2015年6月の125円/ドル、20,886円だった。現在111円/ドル、2016年末の米国利上げ以降の変化幅108~118円/ドル、18,597~20,230円、19,732~21,528ドルを考えると、株価にも自ずと上限があるように感じる。
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