わたしの意見-
水野 創

「働き方改革」―現状は目的も対応も様々  

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2017年8月3日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 「働き方改革」への関心が高まっている。「働き方改革」は、①長時間労働の是正、②人口減少への対応、③子育て・介護等と仕事の両立、④生産性向上と賃金引上げ、⑤非正規雇用の待遇改善、⑥女性・高齢者・障害者の活躍しやすい環境の整備、⑦外国人材の受け入れ、⑧人材育成と多岐にわたるうえ、企業規模別にも事情は異なり全貌はつかみにくい。

 これを垣間見ることのできるアンケート調査が公表された。

 ①大企業が先行しているが、中小企業の関心も高い(表1)。また、中小企業では3分の1が「必要性は認識しているが取り組む余裕がない」としており、こうした先がどうすれば取り組めるようになるかが推進に向けた大きな課題だ。

 ②項目別には、規模を問わず関心の極めて高い項目(表2のグループ1)、それに次ぐ関心の項目(同2)、現時点ではさほど高くない項目(同3)に大別される。

 ③項目別取組状況では、グループ1は大企業が先行しているが、中小企業も頑張っている。グループ2は規模別の差はグループ1ほどではなく、一部は中小企業が先行している。グループ3は育児支援、介護離職防止は大企業先行、外国人労働者活用、業務のアウトソーシングは中小企業先行、在宅勤務・テレワークの普及は今後の課題と項目により区々だ。

 労働力確保関連項目では総じて中小企業が頑張っており、人手不足感の強さがうかがえる。一方、育児支援や介護離職の防止等の余裕を確保するのは大企業でも大変なのだろう。

 比率の低い項目にはそれぞれ理由があると思う。克服に向け知見を共有していきたい。

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