わたしの意見-
水野 創

「働き方改革」への視点  

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2017年10月19日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 千葉県生産性本部主催のシンポジウムにコーディネーターとして参加した(17日)。今年は、「働き方改革と千葉経済」と題し、産官労金各界のパネリストが熱い議論を展開した。

 議論を通じ指摘された「働き方改革」を進めるにあたっての様々な視点を紹介したい。

 ①働き方改革には、人口減少下での労働力確保、コンプライアンスへの対応等複数の目的があり、何のために行うか「目的」を明確にする必要がある。

 ②成果を上げるためにトップの意識は不可欠だが、社員側との課題・成果の共有、社員側の意識改革も必要である。取り組むための「体制」を工夫したい。この点、小回りもきき、意識改革も進めやすい中小企業の方が成果につながりやすい可能性がある。なお、前提となる労働法規等に関する基礎的な知識を双方が持つことがまず必要である(現状、知識のない人が多い)。

 ③目的を実現するための「対策」についても多くの具体例が示された。トップの指示のほか、現場の知見を活かすことが成果につながりやすい。社員も積極的に参加することが望まれる。

 ④実現を助ける県などによるセミナーが数多く開催されている。コンサルティング、補助金・助成金などの施策もある。

 ⑤人口増加を持続している千葉県には、労働力を求めて参入する企業も多く、「働き方改革」の必要性が減るわけではない。会社の生き残りをかけむしろ積極的な取り組みが必要である。

 ⑥地域として考える場合には、「空き公共施設の活用」等他の施策と合わせ地方創生の実を上げたい。

 「働き方改革」によるイノベーションが生産性向上につながると思う。

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