わたしの意見-
水野 創

千葉県の将来人口推計:取り組み次第で2045年には大きな差  

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2017年10月26日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 2015年国勢調査の結果に基づく千葉県の将来人口の推計を行った(23日公表。千葉銀行受託調査。以下本文の人口数値は切り捨て)。

 最近の千葉県の人口は、2020年東京オリパラ開催決定を契機とした首都圏一極集中の強まりを受け、2015年実績は622万人と2010年国勢調査に基づく前回中位推計(623万人。ピーク人口)を下回ったが、最新の2017年9月1日現在の人口は625万人と過去最高を更新している。

 こうした状況下、今回は都市部への若年層・子育て世代を中心とする人口流入が継続するか、地方では地方創生の成果が上がりシニア層の転入が増加し若年層の流出に歯止めがかかるかにより上位、中位、下位3つの推計を行った。

 推計結果は、30年後の2045年に上位推計595万人(2015年比▲4%)、中位推計555万人(同▲11%)、下位推計521万人(同▲16%)となった。上位推計と下位推計の差は73万人だ。

 千葉県の人口がピークとなる、自然増減(出生-死亡)の減少幅拡大を社会増減(転入-転出)の増加で補えなくなる時期も、上位推計の2025年(632万人)と下位推計の2015年(今回実績。前回推計と同時期)では10年の差となる。

 なお、最新の人口は、2020年の中位推計626万人まであとわずかだ。

 このように、長い目で見た千葉県の姿は今後の若年層・子育て世代やシニア層が住みたいと思う地域をつくれるかや各地の地方創生の成果にかかっている。都市部では百貨店の店舗再編に代表される世界的なイノベーションのうねりが押し寄せており、それへの対応如何も影響しよう。今回の結果を今後の取り組みの参考にしていただければと思う。

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