わたしの意見-
水野 創

株高が話題の賀詞交歓会  

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2018年1月10日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 新年は一段の株高で始まり、先週から続いている賀詞交歓会でも質問を受けることが多いので、私の回答を紹介させていただきます。

 (1)昨秋以降の株高は予想をはるかに上回っている。その背景に以下の4点があると思う。まず、①日本を含む世界全体の景気回復で、これが基本となる。そして、②トランプ大統領の経済政策期待の米国の歴史的株高、そして、ここからが日本の要因だが、③為替が円安方向で安定し企業収益を押し上げたこと、最後が、④日本銀行のETF(指数連動型上場投資信託受益権)購入の下支え効果である。これらの相乗効果で、世界中の余裕資金が、安心して株式市場に流れ込んでいる。

 (2)これらの要因のうち、為替の安定を除く3つ(世界景気の回復、トランプ神風、日銀の緩和政策)は当面続き、従って、株式市場にも大きな基調変化はないと思われるが、アメリカの株価は既に歴史的にも高い水準まで来ており、秋の中間選挙の結果や金融政策の動向を睨んだ為替相場の変動幅拡大などを含め何かショックがあれば、大きく反応する可能性もある。

 (3)因みにここ3回の戌年の株式市場は年初に比べ年末は高値で終わっているが、変動幅は2割から3割と大きいので油断できない。

 (4)先行きは2018年より、2019年がポイントとなる。消費税率引き上げ前後の経済の振れ、2020オリパラ関連建設工事のピーク越えなど国内の景気変動要因を「アベノミクス第3の矢・成長戦略」や好調な海外経済が埋め合わせることができるか。2019年は統一地方選挙や参議院議員選挙もあり景気が足を引っ張る可能性があれば、経済対策が取られると思うが、そのこと自体もリスク要因となる。景気の山が見えてくれば、株式市場も先取りした動きとなろう。

 12日から始まる「ひまわり定期講演会」で皆さまとお目にかかり、意見交換させていただくのを楽しみにしています。

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