わたしの意見-
水野 創

市場は一転荒れ模様に  

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2018年1月31日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 昨日の常磐会場の「ひまわり定期講演会」には、多くの会員の皆様にお越しいただきありがとうございました。一部の皆様には第2会場、ロビーで映像を通じて講演をお聞きいただいたほか、情報交換会も窮屈で申し訳ありませんでした。明日の浦安会場は天候が気がかりですが、皆様にお目にかかることを楽しみにしています。

 ところで、私の講演に関しては、明日は原稿に少し手を入れようと思っています。

 これまで安定していた市場が、ここに来て荒れ模様になり、これまでの、波乱が来るのはもう少し先という説明振りを少し修正する必要が生じたためです。

 昨日までの前提は、これまで株式市場を支えてきた、4つの要因(世界景気の回復、トランプ神風、為替の円安基調での安定、金融政策)のうち円安基調以外の3つは当面継続するというものでした。しかし、米国では、秋の中間選挙を意識して、トランプ旋風を強めたい高官の不規則発言があり、日本では、日銀の金融政策決定会合をはさみ「金融緩和の出口」をめぐる議論が一部で盛り上がってしまいました。この結果、世界景気の回復基調は1月のIMF世界経済見通し改定でむしろ強まっているのですが、それ以外の3要因が市場の材料になってしまったわけです。

 トランプ政権の危うさや日銀の「2%の物価上昇目標」への思い入れの強さがここに来て変化しているわけではないと思いますが、株価の水準が歴史的にも高くなってしまっているだけに、いったん各市場が動き出してしまうと、昨年中のような安定感を取り戻すのは容易ではないと思います。やはり戌年は変動幅が大きいのかもしれません。一方で、不安定なほど、政策変更はより慎重になり、日銀総裁人事も続投の可能性が強まるのでしょう。

 明日、どういうお話しすることになるかは、明日の市場次第ですが、今日の心構えは以上の通りです。

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