わたしの意見-
水野 創

大荒れの市場の評価と影響  

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2018年2月8日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 先週末から今週にかけて市場は大荒れとなった。「ひまわり定期講演会」での講演内容も、1日の浦安会場で前号のビジネスレターに沿った小幅な手直しを行ったが、週末の米国株式市場の下落を受け、月曜日(5日)の船橋会場では、現状評価と影響について、大幅に原稿を加筆した。

 論旨は以下のとおりである。

 ・年末、年始の上昇があまりにも急激、大幅で、いろいろ理屈は言っても、投資家にとって居心地の良い状況はなかった。少なくとも、一時的な調整局面があってもおかしくなかった。

 ・米国でのドル安歓迎発言や長期金利上昇、日本の「金融緩和の出口」を巡る思惑は調整の格好のきっかけとなった。

 ・動き出した市場の動揺は簡単には収まらない。当面、発表される景気指標と政策への思惑次第で、長期金利、為替、株価が世界的に動くと思う。

 ・こうした市場の動きが、今後、企業、個人のマインドを慎重化させ、現在の回復基調そのものに水を差すところまで行くかどうか、現時点では何とも言えない。

 ・市場は、現在の動揺が一時的な水準調整にとどまるよう、冷静に受け止めてほしいし、そうなるよう、政策当局は政策運営と情報発信、市場との対話に努めるはずだ。

 ・今後、企業の2018年度事業計画、春闘の3%賃上げ時期が控えている。消費者の消費態度などの動きも注視したい。うまく収束するよう願っている。

 今週に入り、各国当局は経済が順調に回復していることを改めて強調し、市場も5日から6日にかけて大幅に下落した後、反転のきっかけを探っているように見える。

 「ひまわり定期講演会」は、明日、いよいよ最後の千葉会場になる。今晩と明日の午前中までの市場を見て、「一時的な水準調整だった」とどの程度強く指摘するか決めようと思っている。

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