わたしの意見-
水野 創

春闘集中回答日:「3%以上は少数派」、「前年を上回る」

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2018年3月15日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 春闘の集中回答日(14日)が終わり、結果の報道が相次いでいる。標記の2要素をどう並べるかで主張が出るが、「3%以上は少数派」だが「前年を上回る引き上げを回答した先が多い」ことは、今後の消費回復にとって一安心となる。

 今後の景気回復への波及経路としては、所得が増加した消費者が、増加分を消費にあて、それが回復の遅れていた個人消費関連企業の(値上げの浸透を含む)売り上げ増加・業績上昇、それらで働く従業員の処遇改善につながっていくかがポイントになる。

 この点、先週発表された2017年10-12月期GDP2次速報(8日)と2018年1月家計調査(9日)は好循環を期待させる内容となっている。

 すなわち、前者では、1次速報に比べ企業の設備投資の上方修正に対し、家計は消費支出、消費性向が1次速報と変わらず引き続き緩やかな回復にとどまっているが、10-12月の消費性向は天候不順の影響で大きく低下した7-9月期に比べ幾分改善している。

 一方、2018年に入った後の状況が分かる後者では、消費性向の反転が顕著で、「初売り、福袋の売り上げ好調」、「コト消費への支出は引き続き活発」といったヒアリング結果と平仄が取れている。寒気到来の後押しもあったのだろう。

 先行きの懸念材料を挙げればきりがないが、何とか好循環につながるよう期待したい。

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