わたしの意見-
水野 創

外国人客増加の受け皿

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2018年8月23日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 

 今年の訪日外国人客数が8月15日時点で2,000万人を突破した。昨年より1か月早く過去最速とのことだ(20日、菅官房長官会見)。

 アベノミクス以降、アジア諸国の所得増加、円安、積極的なプロモーション等により外国からのお客様は3倍になった(出入国管理統計、外国人出入国者数。2012年18百万人→2017年54百万人)が、この機会に、改めてその受け皿を確認した。

 ①成田空港の出入国者は2.1倍、首都圏空港(成田、羽田空港)で見ても2.4倍にとどまる。

 ②これに対し、アジアに近い関空、福岡、那覇空港は4~7倍。特に関西空港は成田空港に肉薄しており、増加人数(10百万人)では成田空港(8百万人)、羽田空港(5百万人)を上回っている。

 ③この結果、首都圏空港のシェアは約10%ポイント低下し、その分、上記3空港が上昇している。

 また同じ期間で、宿泊旅行統計の外国人延べ宿泊者数も3倍に増加した(26百万人→79百万人)が、千葉県は2倍にとどまり、都道府県別順位も5位から6位に低下した。

 ①首都圏1都4県では、1位の東京都は2.4倍のほか他の3県も2倍台。

 ②関空周辺では大阪府が2位、3.8倍、一方、京都府は2.4倍で4位に順位を落とした。なお、京都を抜いたのは大阪とおなじ3.8倍の北海道。

 ③千葉県を抜き5位になったのは5.9倍の沖縄県。

 変化の激しい中で地域間の勢いにも差が生じている。恵まれた環境を生かす更なる施策を考えていきたい。


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