わたしの意見-
水野 創

空港の成長分野比較

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2018年8月31日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 

 最近の訪日外国人客急増を受け、出入国管理統計の外国人の出入国者数は関西、福岡、那覇空港でシェアを伸ばしているが(2012→2017年、+12%ポイント。首都圏空港(成田、羽田)は同▲9.4)、日本人の海外旅行者や国内線を含む空港利用者(旅客数)全体でみると、関西空港の伸びが高いものの、首都圏空港のシェアの低下は相対的に小幅にとどまっている(空港管理状況、2012→2017年度、各+2.2、▲0.9)。

 その背景は以下のとおりである。

 ①日本人海外旅行者(出入国者数)は、全国では減少しているが首都圏空港では増加しており、シェアも高めている。最近の首都圏一極集中の強まりの中、再国際化した羽田空港が、ビジネス需要や成田空港からのシフト分を含め大きく増えている。

 この間、関西、福岡空港の日本人海外旅行者は、減少している。

 ②国内線旅客数は全国で増加しているが、LCCの参入が相次ぐ成田空港の伸びは全国でも突出し、シェアを高めている。

 一言でいえば、訪日外国人客の関西空港等、日本人海外旅行者の羽田空港、LCC、国内線の成田空港となろう。

 高速道路網の整備とあわせ、首都圏空港のこうした特徴を、今後の地方創生、経済活性化策などに活かしたい。


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