わたしの意見-
水野 創

企業部門の好調示す法人企業統計

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2018年9月7日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 

 3日に発表された本年4~6月期法人企業統計(財務省)で、設備投資は前年同期比+12.8%、2007年1~3月期以来約11年ぶりの高水準だった。

 3日には同じ統計の年次別調査(2017年度)も発表された。上記四半期調査が資本金1千万円以上の企業を対象としているのに対し、年次別調査は資本金1千万円未満の企業を含むより網羅的な調査だが、年次別調査の設備投資は前年度比+5.8%と四半期別調査を合計した2017年度(同+3.4%)に比べ高い伸びとなっている。

 2017年度年次別調査の内訳をみると、四半期調査対象の企業だけでなく、これに含まれない資本金1千万円未満の企業の設備投資も回復していること、その前提として資本金1千万円未満の企業の業績も回復していることが分かる(売上高同+14.4%、経常利益同+14.1%)。景気回復が規模の小さな企業にまで及んでいるのは朗報だ。

 今回の調査結果は、10日に発表される4~6月期実質GDP2次速報や12月に発表される年次推計見直しに反映されるが、足元の数値だけではなく、各種見通しに比べ不本意な結果となっている2017年度(実質GDP同+1.6%←政府見通し+1.9%)についても上方修正されるのではないかと期待している。


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