わたしの意見-
水野 創

千葉県観光地のブランド戦略に向けて

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2018年11月1日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 

 30日に千葉銀行、弊社主催の「県内市町村の財政推計と地方創生セミナー」を開催した。

 地方創生に関するポイントの一つが、今後の観光戦略である。

 私共のアンケート調査によると、県内観光地のブランド力はお客様の属性により変化する。国内のお客様を県内、千葉を除く首都圏、首都圏以外に3区分すると、3区分すべてで高い評価を得る鴨川シ―ワールド、近い区分ほど評価が高い成田山新勝寺、遠い区分ほど評価が高い九十九里浜のような違いがある。また、別の調査では、国外からのお客様の訪問理由の上位は東京ディズニーリゾート、自然・景勝地観光、日本食を食べる、温泉入浴で、その調査では、長期滞在、リピーターも既に存在している。

 九十九里浜を例にとると、今後、成田空港機能強化、圏央道全通、銚子連絡道整備等と周辺9市町地域づくりにより、内外から多くのお客様をお迎えする可能性を秘めているが、そのためにどのような投資を行うかは、どういったお客様を対象とするかで異なってくる。

 近郊のお客様であれば、整ったハード、ソフト対応となるだろうし(自然のままでは評価が低い)、自然の海辺でゆったり過ごしたい海外からの長期滞在者であれば自然を生かした宿泊施設(飲食、温泉を持つ)が必要になる。

 ブランドを確立し、持続的な発展につなげるために、地元と事業主体が連携して方向を定めるところから始めたい。

 なお本セミナーの概要はマネジメントスクエア1月号に掲載予定です。また、今月8日には「千葉県の観光動向と地方創生セミナー」も開催する予定です。


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