わたしの意見-
水野 創

米国中間選挙終了、束の間の休息

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2018年11月9日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 

 米国中間選挙が予想通り上院共和党、下院民主党の過半数獲得で終わった。市場は大統領の次の一手待ちで束の間の休息を楽しんでいるように見える。

 議会による弾劾リスクを回避し、おそらく大統領も一息入れているのだろう。

 もっともこの2年間を振り返ると、①2016年の英国のEU離脱国民投票、米国のトランプ大統領選出のあと、②ポピュリズムの行き過ぎと感じたのか、大番狂わせの投票は避けられてきたが、③最近は、ブラジルの極右ボルソナロ大統領当選、ドイツ連邦議会総選挙後のメルケル首相の党首辞任・首相退陣表明と振り子は再びポピュリズム優位に振れている。

 景気が回復しても格差の拡大に対する答えが出ない、宗教、人種、国籍などによる対立を指導者が煽るなかで、不満や不安の増幅・定着につながっているのだろう。

 そして、これまでは世界景気回復下の政治的な動きだったのが、今後は、貿易戦争の影響が中国を起点とする世界経済の変調をもたらすなど成長率が低下する中での政治的な動揺を経験することになる。日本はこれにオリパラ景気のピーク越え、消費税率引き上げの影響も加わることになろう。

 従来の不満・不安に加え、景気に対する不満も加わる一方、それに対する経済政策手段が限られるとなると、トランプ大統領は今回以上に派手なパフォーマンスをするだろう。

 選挙後の米国株式市場のピーク比下落率が相対的に小さいのはこうした事情を市場が織り込んでいるのだと思う。

 現在の休息が少しでも長く続くよう願っている。


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