わたしの意見-
水野 創

観光立県「ちば」強化に向けて

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2018年11月22日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 千葉銀行と弊社主催のセミナー「千葉県の観光動向と地方創生―新たな局面を迎える観光立県“ちば”」を開催した(8日)。席上、私は、県内の地域別宿泊動向には大きな差があり積み増し余地が大きいと主張した(図表1)。

 すなわち、日本人では東京湾岸、外国人では成田空港周辺が群を抜く一方、これまでから人口減少が厳しかった銚子・九十九里・南房総は、宿泊者数(合計、日本人)でも5地域中唯一2010年を下回っている。外国人もごく少数だ。

 銚子・九十九里・南房総は、気候温暖で、自然、食事、温泉など、日本人、外国人ともに千葉県に期待する要素にあふれている(図表2、3)。それにもかかわらず、こうした結果になっているのは、銚子連絡道をはじめ、圏央道からの接続道路の整備がこれからであるほか、特に外国人についての受け入れ意欲も低いことも一因であろう(図表4)。

 成田空港の機能強化にあわせた地域づくりの過程で、来客ニーズに合わせた投資を行うことで、内外の多くのお客様ともてなす側双方でにぎわう地域となり得る。そのために、まず地元の受け入れ意識の積極化を期待したい。

 なお、常磐・つくばエクスプレス周辺の現状は、ホテルが少ないことによる。当地域も駅周辺再開発等に合わせた積極的な投資を期待したい。

●当ウェブサイトに記載されているあらゆる内容の著作権は、株式会社ちばぎん総合研究所及び情報提供者に帰属し、いかなる目的であれ無断での複製、転載、転送、改編、修正、追加など一切の行為を禁じます。