わたしの意見-
水野 創

千葉県の生産年齢人口を74歳まで広げると

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2019年01月18日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

  厚生労働省の雇用政策研究会が2040年までの就業者シミュレーションを公表した(15日)。

 経済成長と労働参加が進み、男性は年齢に関わりなく希望する全ての者が働ける、女性は就業環境の改善等でM字カーブが解消するケースの就業者は、2017年の65百万人比5万人の減少(60百万人)に止まるようである。そうでないケース(52百万人)に比べると8百万人の増加になる。

 当面人口増加が続く千葉県の場合はどうだろうか。

 就業者数の分析はすぐには難しいので、健康寿命の増加で元気な高齢者が増加し、2040年には皆が74歳まで働けるとして、弊社が2015年国勢調査による年齢別人口推計により確認した。

 2015年の生産年齢人口(15歳~64歳の人口)は378万人。県人口全体は2015年(下位推計)から2025年(上位推計)がピークとなるが、生産年齢人口は2000年の424万人がピークであった。

 これに対し、2040年の「新」生産年齢人口(15歳から74歳までの人口)は以下のとおりとなる。

 ①上位推計では422万人で2000年の生産年齢人口並み。

 ②中位推計では399万人で2010年の生産年齢人口をわずかに下回る水準。

 ③下位推計では378万人で2015年の生産年齢人口と同水準で、2020年の 上位推計の生産年齢人口にも近い水準。

 実際の千葉県人口は、現在、上位推計と中位推計の中間で推移している。

 全国ベースとの差は歴然としている。地方創生の成果を上げ、県人口の総数を確保するとともに、働く意欲のある人材が実際に働けるよう、環境を整えていくことが重要だと改めて感じさせる数字だと感じた。

  (図表1)年別の生産年齢人口

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