わたしの意見-
水野 創

縮小する「足元の元気さ」と「先行き不透明感」のギャップ

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2019年1月31日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 18日に始まった今年の「ひまわり定期講演会」も29日の常磐会場で4会場が終了しました。お忙しい中ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

 各会場で多くの会員と意見交換をさせていただく中で、年初の賀詞交歓会の時に比べ皆様の元気さが増しているように感じました。

 その背景には、賀詞交歓会が年末、年初の市場の動揺で先行き不安が強まっていた時期に行われたのに対し、その後の1ヶ月で、①米国中央銀行が金利引き上げ政策を明確に修正し、②成長率の低下に対応し中国がより大胆な景気対策に踏み込んでいること、③無秩序離脱を回避するための英国内の模索がなお続いていることなど、海外経済を中心に先行きへの不安が幾分軽減されていることが大きいと思います。

 首都圏の足元の景気は引き続き回復を続けており、会場でも、人手不足対策、10連休時に仕事をする企業の人繰り・輸送手段の確保、建設関連資材の納期遅れ、旺盛なIT需要、昨年開通した外環道千葉県区間の効果などそれを裏付ける話題を数多くうかがいました。

 米中を軸に各国を巻き込む政治、地政学リスクは引き続き高いにしても、各種政策対応により経済面の先行き不安が薄らげば、足元の元気さが前面に出てくるのでしょう。

 この間、国内景気については、引き続き消費税率引き上げの景気への影響を心配する声が非常に強く帰趨を問われることも多いのですが、「時間とともに実施の可能性は高まっているが、最終的には政治判断なので、引き上げないのが有利と思う局面になれば躊躇無く延期するだろう」とお答えしています。

 今日は浦安会場です。

 これからの各会場で皆様とお目にかかるのを楽しみにしています。

 

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