わたしの意見-
水野 創

覇権争い対景気対策 「ひまわり定期講演会」終了

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2019年3月8日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 今年のひまわり定期講演会は4日の千葉会場で終了しました。

 1月18日の茂原会場から足掛け3か月、お忙しい中、多くの会員の皆様にお越しいただき感謝しています。

 今回は、期間中、米国株式市場が利上げ政策の打ち止めや関税引き上げ期限の延長などを受け上昇に転じ、年末、年始の21,000~22,000ドル台から千葉会場開催時は26,000ドル台にまで回復してきました。連れて、長期金利の水準も是正されています。

 そして、それらはわが国にとっても、為替円高、長期金利の低下傾向に対する歯止め、株式市場の一定の回復にも繋がりました。円高要因・消費税率引き上げの経済への悪影響懸念がある以上、米国に比べ回復力が鈍いのは仕方ありませんが、全体の流れとしては年初に比べ大きな改善です。

 この間、千葉県内については森田知事が国交相に第2湾岸など新たな道路ネットワークの整備を要望し、成田空港の機能強化に次ぐ中長期プロジェクトが具体化に向け動き出したことも地域の将来に向け大きな支援材料になっています。

 会場の雰囲気が明るく、元気さを増していくのも自然の流れだったと思います。

 なお、足元の株価は再び低下しており、経済的利益に優先する米中の覇権争いが見え隠れしています。しかし一方で、英国の無秩序離脱に対する現実的対応が透けて見え始め、講演会終了後の5日には中国全人代で大型経済対策が示され、また、昨7日には、欧州中央銀行が年内の利上げ取りやめを決めるなど各国の政策当局が景気減速への対応を取り始めていることが大きな変化です。

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