わたしの意見-
水野 創

東京湾岸地域の潜在力

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2019年4月12日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 森田知事と石井国交相の会談以降(1/17)、第2東京湾岸道路への期待が膨らんでいる。

 将来、①湾岸の道路整備により、千葉市、船橋市等の渋滞が解消され、アクアラインを含めた東京湾環状道路がストレスなく使えるようになるとともに、②これに平行するような鉄道(アクアラインにトンネルを新設し既存路線も活用して「東京湾大環状線」とする)ができ、③成田・羽田の首都圏空港の機能も強化されれば、首都圏の中核のイメージは「東京都」から「道路、鉄道2つの環状線を中心とした東京・千葉・神奈川地域」に変貌するだろう。

 範囲の取り方にもよるが、その面積は東京都23区、海外では、国際金融センターのシンガポールや香港に匹敵する。

 規制緩和やイノベーションにより生産性・競争力を高め、グローバル企業にとっても活動しやすい地域にできれば、外国企業の進出・交流人口の増加にもつながる。全国の人口減少が続く中で、首都圏は国力維持・拡大に貢献できる。

 さらに千葉県は、開発可能な土地は広く、自然環境にも恵まれ潜在力が極めて高い。従来の観光・工業・居住に加えビジネス需要も増加すると思う。環状線沿線の開発余地が乏しく地価も高い東京都や神奈川県とは大きく異なる。

 そして、現在、成田空港機能拡張の効果が成田市から空港周辺9市町、県内全体に広がることが期待されているように、2つの環状線の効果はこの沿線から首都圏全体に広がっていくはずだ。

 こうした将来展望を持ちながら、今後のプロジェクトに取り組んでいけるとよいと思う。

(図表1)東京湾の広義と狭義

広義: 東京湾全体(1,380平方キロメートル) 狭義: 広義からAを引いた部分(920平方キロメートル)

(出所)ちばぎん総研作成

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