わたしの意見-
水野 創

高まる第2湾岸への期待

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2019年5月16日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 先週(5月8日)、「湾岸シンポジウム」が開催され、パネルの進行を担当した。

 このイベントは、昨年の外環道三郷南IC~高谷JCT開通後の交通量増加を踏まえ、今後、東京湾岸エリアの高速道路網を強化する必要があることを経済界全体として訴えることを目的として開かれた。

 強化の主眼は、三番瀬の環境問題から中断している「第2東京湾岸道路」の検討再開であるが、当面の対策として①東京方面への新たなインターチェンジ新設(※)と②圏央道大栄~松尾横芝間の早期完成の必要性も唱えられた。

 主張の背景のうち、周知の点も含め特に印象に残った話題を紹介しておきたい。

 (1)穴川周辺の渋滞のひどさ。中心部からICまでの遠さ。

 (2)五井~バスタ新宿線(小湊鐡道バス)は、混雑時には距離は25キロ長いアクアライン経由で運行している。

 (3)東日本大震災など災害時に代替路がない。北関東方面からの原材料輸送に苦労した。

 (4)ペットボトルの水のように「重く、嵩張り、値段の安い商品」は、運送コストの割合が大きい。首都圏の人口増加、新製品投入もあるが、需要地の近くで生産し効率的に運べることが工場存続・新規投資の大前提となる。

 (5)最近、木更津(アウトレット)~羽田便を新設した。新宿便とともに外国人客に好評。効率的な運行ができればまだまだ需要ある。

 (6)通勤・通学の利便性向上、地価の相対的な安さによる転入増加と転出の抑制(就職・進学時)が期待される。

 席上では、「ニーズは繰り返し訴えることが重要である」、「最近の技術進歩の効果は大きく、いったん工事が始まれば当初想定より短期間で完成させている事例もある」ことも紹介された。

 1月17日の知事・国交相会談でこの問題が取り上げられ期待はがぜん高まっている。外環道の上記区間完成に半世紀を要した経験を活かし、今後の検討が順調に進むよう期待したい。

 シンポジウムの要旨はマネジメントスクエア8月号に掲載予定です。

 (※)国道357号で千葉方面から東京に向かい、東関東自動車道にぶつかった辺り。

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