わたしの意見-
水野 創

増勢が続く千葉県人口、ピークは2020年以降に

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2019年6月7日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 5月1日現在の千葉県人口(6,276千人)と4月中の増減が発表された(5月30日)。

 3月、4月は入学、就職、転勤等が集中し1年で一番人の動きの激しい。千葉県では年間の人口増加の相当部分がこの2か月に転入している(図表1)。

 結果を確認しよう(図表2)

 ①2019年3、4月合計で千葉県人口は10,161人増加した。増加幅は昨年を上回り、東日本大震災からの復興、2020東京オリパラ決定後の首都圏一極集中の強まり、交通インフラ充実等による勢いを持続している。

 ②増減の内訳をみると、自然増減(出生―死亡)は少子高齢化の進行で2011年からマイナスだ。マイナス幅は年々拡大し、2019年は3千人を超えた。

 ③社会増減(転入―転出)は13千人で2016~2018年の平均並みの増加となっている。

 自然増減の減少幅は今後も拡大を続けるとみられるが、社会増減も、オリパラ後の景気減速の影響があっても交通インフラ整備による内外交流人口の増加、首都圏のプロジェクトの豊富さ、子育て世代の人気等から、当面、高めの増加を続けると思う。千葉県人口が減少に転じるのは、まだ先だろう。

 5月1日現在の人口は弊社が2015年国勢調査結果を受け行った2020年の将来人口推計の中位推計(6,269千人)を既に上回っている。今の勢いが続けば、2025年にピークを迎えた後も高水準を維持する上位推計(6,302千人)を上回ることも十分考えられる。

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