わたしの意見-
水野 創

トランプ大統領の衝動

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2019年8月9日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 米国FRBの金利引き下げ(7月31日)の市場への影響は限定的かと思った途端、トランプ大統領は中国に対する制裁第4弾の9月1日発動を打ち上げた(8月1日)。

 当然市場は大荒れだが、第4弾の影響の大きさを思えば予想された結果であり、大統領は大統領なりのストーリーがあるはずだ。

 ①株式市場は大統領選挙直前に高値であればよい。途中段階の下落は構わない。

 ②株式市場の下落は思い通りに動かないFRBへの圧力になる。利下げを確実かつより大幅に行わせることができる。

 ③制裁の経済への影響は中国のほうが大きい。米国経済の方が強い。

 ④米国景気の現状は悪くない。金融政策に加え財政政策もある。

 ⑤北朝鮮、中東対応を含めメディアへの露出を続け支持層を固める。

 まだまだ大胆な発言あるいは沈黙は続くだろう。

 こうした思考の中に、日本を含む民主主義、人権、人道、法の支配等考え方を共にする国への配慮は感じられない。

 米国長期金利安、円高、株安と、長期金利が下限の▲0.2%近くにはりついてしまった日本には厳しい。

 これを前提とした事業計画の見直しとイノベーションが必要だ。

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