わたしの意見-
水野 創
台風15号と千葉県:東日本大震災と比較して
水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]
(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2019年9月27日号に掲載)
水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]
台風15号の被害で多くの皆様のご苦労が続いていると思います。心よりお見舞い申し上げます。
千葉県は2011年に東日本大震災という大きな危機に直面しました。被害の全貌や今後の影響については今後の作業になりますが、直感的には今回のほうが厳しいという印象です。
東日本大震災時、千葉県は地方部での津波、液状化被害のほか、都市部でも液状化、放射能のホットスポット、コンビナート火災などに見舞われ、一時、人口減少に転じました。しかし、「便利なところには必ず人は戻ってくる」との確信があり、オール千葉で「安心・安全・快適・便利」を合言葉に復興に取り組むことで、千葉県の元気の象徴である人口は既往ピークを更新しています。
ただし、この間も、津波などの被害を受けた地域の人口は減少を続けています。そして、今回被害を集中的に受けているのは、その地方の皆さんや産業です。
1万戸を超す建物の損壊、強風による里山、収穫期の農業への影響、停電による酪農、漁業など一次産業のほか、多くの中堅、中小企業の皆さんに甚大な影響がありました。
地方部では8年前より人口減少、高齢化が一段と進んでいます。中長期的な転出、廃業リスクを含め、今後の復旧・復興にはこれまでにない制約が生じると思います。
地方創生の成果を活かしつつ、これまで以上に地域の特徴を意識した選択と集中や広域連携を進めていくことが必要です。
(図表2)台風15号停電被害地域 東日本大震災被害地域
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