わたしの意見-
水野 創

大盛況の「企業誘致セミナー2019in大阪」

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2019年11月29日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 先週20日に、千葉県が大阪で開いた「千葉県企業誘致セミナー2019in大阪」にパネリストの一人として参加した。大阪での開催は3年ぶりだったが、満員盛況だった。

 今回印象に残ったのは以下の諸点だ。

 ①千葉県は9月から10月にかけての一連の災害で大きな被害を受けたが、パネル、懇親会を通じ関西企業の進出意欲に水は差されていないようだった。交通インフラ充実、首都圏一極集中が進む中、被害の影響は一時的なものと評価されているのだろう。

 ②千葉県への企業立地の人気上昇で、県内の工業団地は完売状態に近い。これまでのインター周辺や工業団地立地企業だけではなく、今回のパネリストには京葉工業地域内の余裕スペースへの立地企業も登壇した。

 ③登壇企業の業種をみると、ここ数年、首都圏の巨大市場の中に位置し、高速道路網で全国配送も可能な利点を生かした食品、物流が常連だったが、今回は、エネルギー(大阪ガス)が登壇した。

 ④千葉県は首都圏電力供給県の中核だが、大阪ガスのケースはバイオマス発電の立地。SDGs(Sustainable Development Goals〔持続可能な開発目標〕)により石炭火力発電所の新設が難しくなる中で千葉港からの燃料陸揚げに着目した立地となる。

 ⑤柏の葉キャンパスでのAI等先端技術展開についても関心が示され、司会者の求めに応じ、東大・千葉大キャンパス、産業技術総合研究所の存在するスマートシティ開発をアピールした。

 改めて、千葉県の立地の優位性と、ユーザーニーズの広がりを感じた。新工業団地の企画と既存企業のスペース活用のために必要な知見の蓄積を期待したい。

●当ウェブサイトに記載されているあらゆる内容の著作権は、株式会社ちばぎん総合研究所及び情報提供者に帰属し、いかなる目的であれ無断での複製、転載、転送、改編、修正、追加など一切の行為を禁じます。