わたしの意見-
水野 創

とりあえず基調変化なし。被災後の県内人口動向

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2019年12月6日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 9月から10月の台風、大雨被害を受け、「もうここには住めない」と家族等を頼って被災地を去る人が数多く出ることが心配されていた。

 実際にどのような動きになっているか。先週29日に公表された11月1日現在までの動きを見る限り、基調変化はなくホッとした。

 ①千葉県全体の人口は9、10月の2か月で+2,205人と前年(+2,353人)並みの増加となった。

 ②県内のうち被災地域は▲1,262人と前年(▲838人)を上回る減少となっている。ただ、この地域が、毎月▲800人程度の減少となっていることを考えると、この機会に転出した人はいるにしても、全体としてはこれまでの流れの範囲内と評価できよう。

 ③被災地域以外は増加基調を続けている。

 東日本大震災時に発生直後から増勢鈍化・減少に転じたとは異なる動きとなっている。今回の被害が、これまでから人口減少傾向を続け、県人口に占める割合の少ない地方部で多かったことが、転入者を中心に人口が増加している都市部も被災した前回と異なった結果につながっているのだろう。

 この基調が続くか、時間とともに異なった動きとなるかは、今後の復旧、復興の進み方次第だと思う。

 オール千葉での応援を続けたい。

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