わたしの意見-
水野 創
マインド先行から利益率悪化へ-12月短観・製造業
水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]
(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2019年12月19日号に掲載)
水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]
日銀の12月短観が発表された(13日)。
輸出減少の大企業製造業を起点とする企業の業況判断の悪化が続いている(図表1)。
業況判断と事業計画の売上高経常利益率の変化(図表2)と合わせてみると、業種別、規模別の現状が明確だ。
①大企業製造業:2018年度中は業況判断の悪化にもかかわらず売上高経常利益率の計画は調査時点毎に改善し、マインドの悪化が先行。しかし、2019年度に入ると、売上高経常利益率の低下傾向も明確に。
②中小企業製造業:経常利益率は、2017年度中は改善、2018年度で小幅悪化に転じ、2019年度は悪化の度合いを強めている。設備投資は今回、前回調査比横ばいとなり、例年と異なる動きとなった(図表3)。
③非製造業:大企業・中小企業とも横ばい圏内。中小企業ではマインド悪化が先行。
製造業の設備投資の減速具合、消費税引き上げの非製造業への影響、米中妥協の評価などがどう出るか、次回2020年3月調査で初めて明らかになる2020年度事業計画を注目したい。
(図表2)事業計画 売上高経常利益率の推移
(出所)図表1~3 日銀短観
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