わたしの意見-
水野 創

災害・人手不足、消費税率引き上げ、米国金融政策変更

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2019年12月26日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 今年もあと数日になりました。期待に反し厳しい一年となったと思います。

 (県内経済)
①9、10月の台風、大雨でかつて経験したことのない被害を受けました。復旧、復興に必要な職人の不足からブルーシートのまま新年を迎える被災者も多く、心が痛みます。現場の担い手が減少していく中で、どのようにして安心・安全を確保する体制を構築するかが課題です。

 (国内経済)
②何とか理屈をつけて先送りするのではないかと予想していた消費税率の引き上げが予定通り行われました。当初のバラマキに加え、補正予算、2020年度予算でも追加のバラマキが行われます。人生100年時代の下、財政への不信・不安に加え、海外景気減速の影響、オリンピック・パラリンピック景気の反動など消費者の財布のひもは締まる方向だと思います。ここでも国民の安心・安全の実現が課題です。

 (国際経済)
③年初、アメリカのFRBが大統領と市場の圧力に屈し、唐突に金融政策を変更したことで、FRBへの信頼感は大きく傷つきました。金利低下と口先介入による株高が実現していますが、人為的な操作で株高を永久に続けられるわけはなく、来年、特に大統領選挙後の心配はより高まっています。「はじけて初めて分かる」バブルへの備えが課題です。

 来年も、内外ともに課題の多い年となると思います。これまでも多くの経済変動を乗り切ってこられた経営者の皆さまが来年も大いに手腕を発揮され、社業発展の好機とされると信じています。

 本年もビジネスレターは今回が最後です。ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

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