わたしの意見-
水野 創

焦点は大統領選挙から新型肺炎対応に

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2020年1月31日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 「ひまわり定期講演会」は昨日の浦安会場が5会場目、ちょうど折り返し点です。各地でご参加いただいた多くの会員の皆様に心よりお礼申し上げます。引き続きよろしくお願いいたします。

 今年のひまわり定期講演会は、米国大統領選挙に向け、市場や経済・外交政策がどのような推移をたどるかを焦点に始まりました。しかし、回を追うにつれ急拡大する新型肺炎対応への注目度が高まっています。

 新型肺炎は、昨夜、WHOが緊急事態を宣言するに至りました。感染が中国以外にどこまで広がっているか実態を把握した上で、各国が政治の分断を乗り越えて一致協力して対策を講じることが課題になります。

 患者数で2002年11月から2003年7月に発生したサーズと比較されますが、経済面の影響は当時とは比較にならないほど大きいはずです。中国の経済規模が大きく拡大し、人の移動が大幅に増加しているうえ、サプライチェーンにおける役割も格段に強まっているためです。

 サーズの時は、日本人の海外旅行の減少の大きさが目立ち、他の主要経済指標は、その直前に起きたITバブルの崩壊から回復の方が目立ちます。今回は世界経済が米中覇権戦争の影響下にあることも、影響するでしょう。

 前回同様終結まで9か月かかると、オリンピック・パラリンピックは新型肺炎と戦いながら開催されることになります。早期終結に向け世界中が総力で対応するよう願っています。

●当ウェブサイトに記載されているあらゆる内容の著作権は、株式会社ちばぎん総合研究所及び情報提供者に帰属し、いかなる目的であれ無断での複製、転載、転送、改編、修正、追加など一切の行為を禁じます。