わたしの意見-
水野 創

積み重なるショックへの対処策

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2020年3月13日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 10~12月期GDP2次速報が発表され、消費税率引き上げや昨秋の台風、大雨の影響が大きかったことが確認された。2019年暦年でも厳しい。新型コロナウイルス感染拡大が加わり、1~3月期以降も厳しい環境が続く。市場も大荒れだ。

 新型コロナウイルスの影響は世界に及んでいる。日本の場合、上記ショックのうち消費税率、台風・大雨、アベノミクス7年の累積で今後の政策余地も限られているなど固有の事情が加わる。トランプ大統領の1年延期発言も飛び出し、世界の人が日本を往復するオリパラの開催にも何らかの影響は避けられない。

 こうした中、家計、企業等の経済主体は、とりあえず自らの手腕でこの苦境に対処することを求められている。

 限られた情報の中で、対処の前提は以下のようなものになろう。

 ①基本方針:新規発生を抑え込むまでには国内、世界とも時間がかかる。ウイルスとの共存が不可避であり、②、③に必要な情報が開示されるようになる。

 ②自粛の段階的解除:企業の売り上げが大きく落ち込んだ今の状態を長くは続けられない。全国一律ではなく、各地域の実情に応じた対応が選択されるようになる。

 ③経済対策の実施:当面の資金繰り支援に加え、企業収益・所得対策として先端技術、働き方改革、SDGsなどに関する投資の支援を含む大規模な財政政策が実施される。

 こうした方向感の中で、売り上げ激減期間の乗り切り策と活動再開後の急回復を実現するための準備を並行して進めておく必要がある。

 なお、前回までに掲載した感染状況等の表の最新版は、当面、毎週金曜日に弊社ホームページに記載することにします。ご利用いただければ幸いです。

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