わたしの意見-
水野 創

金融財政政策では動揺は収まらない

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2020年3月19日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 新型コロナウイルス感染拡大による市場の動揺に対し、米国政府、中央銀行FRBは大胆な政策を打ち出しているがむしろ不安を煽っている。今は「収束」に向け能力を示す方が重要だ。

 日本の場合も、検査要件に該当しない感染者は野放しで実態不明ななかで、学校・公共施設が一部再開され始めた。これからの長期戦に臨むには、「どこ」がより安全か、「どうすれば」より安全かにこれまで以上に注意する必要がある。前者は感染者の居住地等の情報発信、後者はマスクなど必要資材の確保と治療法の確立だ。以下が実行されるだけで、雰囲気は大きく変わる。

 ①現在発信されている情報はこうした目的のためには整理されていない。目的に応じ整理して発表してほしい。千葉県の状況は図表の通りだが、通勤経路などが分かるとより安心できる。

 ②マスクの供給能力は月6億枚になるようだが、日本の1月の就業者は6687万人だ。月20日往復で2枚ずつ使うと1か月27億枚必要になる。安心のためには、必要な枚数の根拠を示し、供給体制整備に必要な資金の提供と買い上げ保証をするくらいの決意を示してほしい。

 ③高齢者や基礎疾患のある方の不安解消に必須な、治療法の確立、特効薬の開発については、既にいくつか報道されているが、目標、進捗管理、情報提供をしっかり行ってほしい。

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