わたしの意見-
水野 創

宣言解除後の県内移動で感染を拡大しないために

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2020年5月29日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

  緊急事態宣言解除とともに、千葉県にとって重要な意味を持つ「都道府県間の移動」や「観光」に関する指針が国から示された(25日)。

 指針では6月18日までは千葉県内観光振興、19日以降に県境をまたぐ観光振興に取り込むことを求めている。

 千葉県の場合、5月22日から5日間新規感染者ゼロが続いているが、地域別にみると最近まで感染が続いた東京に近い地域と11日以降は確認されていない地域と明確に分かれる(図表1)。こうした地域差の存在を意識せず県内を自由に移動すると、感染ゼロの地域に新たな感染者を生むリスクを高めてしまう。観光を含め、県内の地域をまたぐ移動については、今しばらく慎重であるべきだと思う。

 東京都ではゴールデンウィーク明け(11日)以降のゆるみが、2週間後の25日からの新規感染者数増加に表れている(図表2)。25日の解除以降今週の感染状況が検査結果により明らかになるのは6月8日頃以降だ。

 通勤の再開等により千葉県への余波は避けられない。実際の数字がどこまで上がるかは分からないが、観光振興を含め県内の移動でこの波が拡散することがないよう、感染状況を慎重に見極めながら行動したい。

 常に2週間後の結果を想定しながら行動する習慣も身に着けるようにしたい。

 なお、新型コロナウィルスについては本レターのほか、来週送付予定の「マネジメントスクエア」6月号にも掲載しています。また、6月号校了以降の状況についての情報をお伝えするため、新企画のWEBセミナーを弊社ホームページで6月1日以降公開する予定です。ご活用いただければ幸いです。

 

(図表1)千葉県の発生状況

 

(出所)千葉日報「県内市町村別の感染者数」より、㈱ちばぎん総合研究所が作成。

  

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