わたしの意見-
水野 創

緊急事態宣言下の人口移動、東京都と千葉県

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2020年6月12日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

  緊急事態宣言下の4月の人口動態が発表されている(千葉県5月28日。東京都6月11日など)。

 一都三県の人口増加は続いているが、昨年4月より増加幅は小さく、3,4月合計で見ても前年を下回っている。

 

 特徴は以下の諸点だ。

 ①自然増減は前年並みの死亡超。昨年比増加幅減少の主因は社会増減の変化。

 ②社会増減の状況を日本人、外国人別にみると(内訳が公表されている千葉県と東京都)、都県境を越えた移動の自粛要請にもかかわらず、日本人の増加は昨年に近い水準を維持している。転勤、就職、進学等の季節的増減要因に対して、自粛要請はあまり効果がないのだろう。今後の感染拡大防止策実施時の参考になる。

 ③一方、外国人は、厳重な入国管理により、昨年の増加から減少に転じ、全体の動きを決定づけている。入国管理の効果と今後、入国制限が緩和された段階での外国人増加の可能性を示している。

 千葉県経済の現状は、足下の新型コロナウイルス感染拡大の影響に昨年秋の台風被害克服の遅れ、オリパラの延期などが重なり厳しい状況にあるが、こうした中で、3,4月合計で昨年を上回る日本人が千葉県を住む場所として選択していることになる。

 こうした人の期待を裏切らない「安心・安全・快適・便利」な千葉県を実現するとともに、東京集中のリスク分散に貢献しなくてはならないと改めて感じた。

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