わたしの意見-
水野 創

目立つ外国人の出国超

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2020年6月19日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 千葉県、東京都は4月に外国人が転出超過になっていたが、日本全体ではどういう状況だろうか。

 出入国管理統計確報は3月まで公表されている。

 ①外国人の出国超(入国-出国)は3月が前年の入国超から出国超に転じているほか、12月から3月の合計でも同様の動きになっている。出入国者には観光、ビジネス目的も入っているので、すべてが日本に住んでいる外国人の避難、失業による帰国や入国制限の結果とは言えないが、それにしても合計で昨年比54万人の差は大きい。

 ②東日本大震災直後の2011年3月にも日本から逃げ出す動きはあったが、今回の2月1か月分を下回る規模のほか4月以降は入国超となっており、今回の異例さが目立つ。

 4月以降は速報で外国人は入国者数しか出ていないので、成田空港の「空港運用状況」の国際線外国人旅客数と組み合わせることで成田空港からの出国超過を試算すると、 成田空港(4月の全国シェア5割)は3月の51千人に続き4月も18千人の出国超が続いたとみられる。

 今後、日本が復興に向かうとき、これらの出国者の戻りや新規の入国者がいないと、生産面でも消費面でも制約となると思う。

 日本に行きたい、戻りたいと思ってもらえる環境、すなわち安心・安全の確保を十分に整え、出入国に関する制限を緩和することが課題である。

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