わたしの意見-
水野 創
2020年10月国勢調査―千葉県の人口増加継続は間違いないと思うが
水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]
(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2020年6月26日号に掲載)
水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]
今年は5年に一度の国勢調査の年だ。
千葉県の人口は毎月公表されているが、国勢調査の人口は特別だ。
国勢調査では人数を実際に数えるのに対し、毎月の人口(毎月常住人口調査)は国勢調査の結果に自然増減(出生―死亡)と社会増減(転入―転出)を加減した推計値だからだ。
届を出さずに引っ越したりすれば、両者には差が生じる。
千葉県では、2015年、2010年の2回の国勢調査で実数が推計値を上回り、逆に2005年、2000年の国勢調査では、実数が推計値を下回っている。2000年はその差が24千人に達している(図表1,2)。
印象深いのは2015年だ。2011年の東日本大震災後でいったん人口が減少した後の2015年は、9月時点で6206千人と2010年の国勢調査結果(6216千人)を下回っていた。人口減少県仲間入りも半ば覚悟したあと、この差14千人のおかげで人口増加を維持でき、「震災被害克服の象徴」として心底うれしかった。
今回は、5月時点まで62千人の増加となっており、少々の振れでは増勢が崩れることはない(図表3)。ただ、増加の過半49千人は外国人が占めている。昨年の台風、そして今年になっての新型コロナウイルス被害で、場合によっては、届け出なく他県、または海外に転出した人がいてもおかしくない。また、海外については、10月までに新規の入国者が大きく増加することも期待できない。調査の精度はどのくらい丁寧に実数を数えられるかにもかかっている。
心配しだすときりはないが、便利なところに人は集まる。今年も増勢を維持してくれると信じたい。
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