わたしの意見-
水野 創

続く外国人減少の影響-7月中の人口動態

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2020年9月8日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

  千葉県の人口は、7月中、前月比540人の減少と3か月連続の減少となった(1日発表)。日本人は6月に続き増加したものの、外国人の減少幅は拡大している(表1)。

 救いは8月1日現在の千葉県人口が6,283,760人と前回国勢調査(15年10月1日)の6,222,666人を61,094人上回っていることだ。外国人の減少継続は当面避けがたいが、この要因で国勢調査ベースの人口が減少に転じることはまずないだろう。

 ところで、6月中の人口動態を報告したときに、佐倉市の人口減少について「驚いた、もう少し詳しい内容を知りたい」とのご注文をいただいた。

 佐倉市は東京都への通勤圏であり、千葉市、成田市にも近く、豊かな自然と歴博、長嶋監督等のスポーツブランド力、地方創生でユーカリが丘のまちづくりも注目されている。しかし、佐倉市においても、自然増減はすでに減少期に入り、ここ数年は外国人の増加が目立っていた。そして昨年秋以降は台風被害とコロナ禍が減少幅を拡大していると思う(表2)。

 千葉県、佐倉市に示されるように直面する人口動態の姿は厳しい。

 しかし、厳しさは1都3県変わらない。コロナ禍克服後の2025年国勢調査まで展望すれば、東京都一極集中是正による転入・企業誘致増加、減少した外国人の戻りなどこれからの地域の取り組み次第では、千葉県人口のピーク時期が2020年からさらに後ろ倒しされる可能性も秘めているように感じる。前向きの取り組みに期待したい。

 

 

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