わたしの意見-
水野 創

街と情報通信技術―変化の同時進行

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2020年9月15日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

  新型コロナによる働き方や生活の変化の多くは、通信技術の活用を前提としている。

 働き方のリモートワークやサテライトオフィスが先行したが、影響の長期化と共に、生活・文化面のデジタル美術館、演劇・音楽会の有料ネット配信さらにはネット飲み会も一般化しているようだ。そして来年オリパラが予定通り開催されれば、競技会場で実際に応援できる観客は限られ、多くは会場外で声援を送ることになり、その声援の一部は会場内の声援と共に選手の目に入り、耳に届くことが期待される(図表1)。

 そして通信技術面では、ちょうど今年から「第5世代移動通信システム(5G)」の商用サービスが始まっている。

 5Gにより①超高速、②超低遅延、③多数同時接続が可能となる(図表2)。

 5Gは、もともと社会、経済を大きく変化させる可能性を期待され、農業、建設、防災等多くの実証実験が行われてきた。コロナ禍による利用者側の働き方、生活の変化による需要増加や従来システムへの不満とかみ合うと、サービス拡大・早期提供の可能性も強まると思う。

 オリパラは、年末から来春にかけての最終方針決定後、短時間でサービス・環境を構築し、本番で成果を世界にアピールする通信技術の挑戦の場ともなる。成果はコロナ下のオリパラの新しいレガシーの一つとして特記されるだろう。

イ ンフラ整備、コスト、コンテンツなど課題は多いが、事業者、利用者と共に地域全体で取り組むチャンスとしたい。

 

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