わたしの意見-
水野 創

千葉県と東京都人口―異なるコロナ禍の影響

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2020年10月6日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

  千葉県の人口(8月中)は、外国人の減少が日本人の増加を上回る状態が続いている(9月30日発表。表1)。

 3月以降の状況を、日本人、外国人別に東京都と比較すると、コロナ禍で一極集中リスクが明確になった東京都の影響がより大きいことが分かる。

 ①一極集中:東京都の外国人は全国の2割強を占め際立って高い(表2)。

 ②外国人の社会減:人口比以上に東京都の減少の大きさが目立つ(表3)。外国人の出国超過数全体との対比でも東京都は2割近い(表4)。

 ③日本人の社会増に差:千葉県は前年を上回る増加だが、東京都は前年を下回る。振れがあり単月では評価しにくいが8月の東京都は▲3,429人と社会減に(前年+1,211人)。

 日本人については、地方への移住が話題になっているが、東京都からの転出のほか、東京都への引っ越し見合わせ、東京都に代えた千葉県への引っ越しが既に出ているのだろう。

 日本人・外国人別の発表をしていない神奈川、埼玉県を含む比較はできないが、首都圏の中での東京都の一極集中回避の受け皿としての千葉県の立ち位置が示されていると思う。

 外国人については、今後、国境を越えた人の動きが徐々に拡大していく過程で、どこで仕事・勉強をし、どこに住むかの選択が明らかになる。景気回復・働き方改革等により十分な仕事・勉強の機会を準備するとともに、外国人の増加による社会の分断が深まることを防ぎ、多様な共生社会が実現されるよう、環境が整えられることを願っている。

 

 

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