わたしの意見-
水野 創
引き続き大きいコロナ感染拡大の地域差
水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]
(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2020年10月27日号に掲載)
水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]
欧州、米国など経済回復を急いだ諸国でコロナ感染拡大が目立っている。
日本でも9月の4連休から1か月、10月1日のGoToトラベルへの東京都の対象追加からも間もなく1か月になる。感染者の増加が気になるところだ。
週次でみた日本の新規感染者数は7/30~8/5をピークに9/24~30まで減少、その後10/15~21にかけて増加している(図表1)。現状、減少幅に比べ増加幅が抑えられているほか、地域差が大きいのが特徴だ。
①都道府県別にみて、1日当たりの拡大幅が10人以上なのは4都道県、5人以上を加えても7にとどまる。一人未満も12、ゼロまたは減少が続いているのも19(図表2)。
②千葉県内の自治体についてみても傾向は同様で、現時点で増加が目立つ先は限定的だ。
こうした傾向について、夏場の教訓も活かし新しい生活様式が定着、集団感染が抑制されているほか、地方を中心に、まだ人の移動・受け入れに慎重な地域が多いことも考えられる。
今後、寒気到来影響、外国との人的交流等の懸念材料が加わる。現状程度の水準を維持していくことが、来年以降の活動拡大に向けた自信につながる。
一方で、感染拡大抑制の知見の蓄積を十分活用できず、人の流れに過度に慎重になっている地域があるとすれば、地域の経済回復のスピードを落とし、業績の回復を待ちきれずに事業縮小や廃業に踏み切る動きにもつながりかねない。
非常に難しい選択だが、それぞれの立場で感染防止と経済・社会の回復の両立させる努力を続けることが重要だと思う。



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