わたしの意見-
水野 創
進むオリパラ開催準備―コロナ流行の波形と合わず残念
水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]
(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2020年11月27日号に掲載)
水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]
オリパラ開催に向けた準備が進んでいる。
11月8日に、体操国際競技会「友情と絆の大会」が、日米中ロ4か国30人の選手により、約2,000人の観客を集めて滞りなく行われ大会遂行能力を示したほか(国立代々木第一体育館)、県内でも11月14日に恒例の「パラスポーツフェスタちば2020」がコロナ対策を取ったうえで行われた(千葉ポートアリーナ)。前者で内村航平選手の「陽性」で緊張が走った後、最終的に「偽陽性」と判断されホッとしたように、コロナ下のイベントでは、感染者を出さないことが本番に向けた最大の関心事となっている。
11月15日に来日したIOCバッハ会長は、選手へのワクチン接種、観客ありの開催などを打ち出した。
来週にはコロナ対策の中間報告が出る予定だが(12/2)、観客のコロナ対策の最終判断は来春に先送りされる。最近の北半球諸国の新規感染者増加・南半球諸国の落ち着きというコロナ流行の季節性を考えれば(図表)、この冬の動向を見極めてからの判断が必須なのだろう(本番時には、ワクチンの成果や南半球諸国の動向が焦点になっているはずだ)。
こうした中、準備の積み重ねと流行の波形が一致しないことで、本番に向けた機運再醸成は一段と難しくなっている。
今後も多岐にわたる準備を着実に進めるとともに、「選手・スタッフ(特にパラ関係)・観客等」とホストタウン等を含む「地域」双方の安心・安全の確保についても検討と実績を積み重ねることが大切だと思う。
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