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水野 創

成田空港利用回復を後押し!成田空港活用協議会も「コロナ検査」に協力

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年3月8日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

 新型コロナウイルスの影響で、航空旅客関連需要の落ち込みが顕著だ(表)。

 成田空港も、国際航空貨物での活躍は目立つが、国内線・国際線の旅客数は、統計が公表されている本年1月まで、大幅な減少が続いている。関連業種を中心に県経済への影響も大きい。

 昨年7月の千葉県経済同友会「千葉県の30年後の将来像~自然災害・コロナ禍を踏まえた追加提言~」でも成田空港の利用促進を新たな課題の一つとしていた。

 こうした中で、今回、成田空港活用協議会が、利用者に検体の返送料を除き無料のコロナ検査を提供し「安心して移動できる環境」を創出する取り組みに協力することとなった。

 このコロナ検査の流れは以下の通り。

 ①成田空港3月31日発までのPeach便国内線のバリューピーチ、プライムピーチ予約者(いずれも変更・払い戻しに関するオプションのある運賃タイプ)で「新型コロナウイルス郵送検査サポートオプション」の申し込み者が対象。受け付けは3月21日まで(定員到達時にはその時点まで)。

 ②検査希望者は自宅で郵送検査を受けられる(搭乗日の3日前までに検査会社に検体を返送すると1日以内にメールで検査結果が連絡される)。

 ③陰性であれば予約便に搭乗、陽性であれば、旅程変更または払い戻しの上、医療機関に受診することになる。

 これまでPeachと成田国際空港が実施していたが、同協議会もこれに加わる。なお、Peachは大阪(関西)発の国内線でも同様のサービスを提供している。

 同協議会は成田空港を活用した千葉県経済の活性化を目的に経済団体、企業、県、自治体等により設立されている。首都圏1都3県の緊急事態宣言が延長される一方、進学・就職・転勤など人の移動も避けられない時期に航空事業者の行うこうした取り組みに協力することは地域として意義深いと思う。さらに取り組みの成果を検証することで、当面の後押しに止まらずオリ・パラ、海外との人流回復など先行きに向けた回復策の企画にもつながるだろう。

 期間は短いが成果を期待したい。

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