わたしの意見-
水野 創

宣言解除後―県内新規感染の地方部への拡大に注意!

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年3月31日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

 緊急事態宣言解除後10日間、感染再拡大の報が全国で聞かれる。千葉県では横ばい圏内だが、自治体別にみると地域差が大きい。

 今回は3月24日までの3週間を人口10万人当たり新規感染者数で比較する(表1)。

 ①<3週間前比>新規感染者数50人以上の自治体数は減少しているが、新規感染なしの自治体数も地方部で減少している(表2)。表の4区分で3週間前に比べ減少している自治体数と増加している自治体数をみると、市では各14、6に対し町村では各5、6と町村の厳しさが目立つ(同区分は市16、町7)。

 ②<第3波直前の11月との比較>新規感染なしの自治体数は3分の1にとどまっている一方、上2区分の自治体数は倍増状態。復帰には遠い。

 ③<ピークの年末年初比>新規感染者数50人以上の自治体数は大幅に減少しているほか、新規感染者なしの自治体も増加。

 ピーク時からは大きく改善しているとはいえ、解除後1週間で自治体別の感染状況は厳しい方向に振れている。今回の新規感染者は2週間程度の潜伏期間を考慮すれば、宣言中に感染していた可能性が強い。解除後、人の動きが一段と活発化していることを考慮すると、都市部だけでなく地方部も厳しい見方をしておく必要がある。

 今後の感染拡大を少しでも小さくするため、地方部も含む県内各地がこれまでの知見を総動員して感染対策を徹底してほしい。

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