わたしの意見-
水野 創

感染防止と並行して進むオリ・パラ開催準備

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年5月11日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

 緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の31日までの延長、地域拡大、イベント集客の緩和等が決まった(7日)。年度末前後・GWにかけての人の動きや変異株の拡大等から予想されたところだろう。

 様々な議論もあるが、この間、オリ・パラ開催の準備も進んでいる。

 (1)4月28日、IOC、IPC、東京2020組織委員会、都、国の5者は「プレイブック(ルールブック)」第2版について合意した(表)。新たな変異株の出現等に対応するため、2月の第1版に比べ、検査回数の増加、移動手段の限定、濃厚接触の定義等が、特に重要な合意事項とされている。

 今後、6月には、①その時点の最新の科学的視点も取り入れた第3版の発行が予定されているほか、②観客上限数の判断を、「国内のスポーツイベント等における上限規制に準じることを基本に行う」とされている。5月末までの延長やイベント集客緩和の結果がこれらに反映されることになり、今回の措置が極めて重要な意味を持つことになる。

 (2)このほか、聖火リレー・機運醸成等の各種イベントについては、地域の状況に応じ関係者が工夫を凝らして行っている。具体的には、イベントの内容を、①実際に人が集まって行うもの、②オンラインで行うもの、③展示でおこなうものに区分したうえで、感染状況に応じて出来る範囲で実施し、広告・集客方法についても使い分けることが基本のようだ。

 ①はオンラインでも配信、②はリアルタイムのほか一定期間内の配信継続、③複数個所の巡回などにより、より多くの人が参加できるようにすることも可能だ。

 それぞれの関係者のご苦労は大きいと思うが、プレイブックなどの成果物や現在行われている検討結果は、今後開催されるオリ・パラ以外の大会・イベント開催の知見として地域の復興・回復の加速につながるはずだ。期待したい。

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