わたしの意見-
水野 創

拡大するICTのリスクに心構えを

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年5月21日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

 コロナ禍継続、デジタル化進展で個人にとっても企業にとってもICTの活用がこれまで以上に必要になっている。

 しかしICTの利用環境は、利用範囲拡大、グローバル化、技術・派遣競争激化等によりここにきて一段と厳しさを増している。

 毎日のように報道されるトラブル事例等のうち印象に残る記事を集めてみた(表)。障害、情報流出からサイバーテロ、さらには国家による管理強化までリスクは多数かつ多種多様だ。

 障害・情報流出の防止には、システム設計・開発、運用・維持管理、業務継続計画策定等各過程の品質向上に多くのコスト、スキルある人材が必要になり、それでも、利用するクラウドの中や向こう(クラウドが使っているクラウド)にどのようなリスクが潜んでいるか全容把握は困難だ。

 サイバーテロは、対策は一人で世界中の犯罪者を相手にするようなものでより難しい。企業規模の大小を問わず最新技術情報は標的となりうる。インフラ企業へのサイバーテロの2次的な被害を受けることもありうる。

 システムを外部から遮断し、電源をオフにすることができない以上、どのくらいのコストで何を守るのかをできる範囲で判断し、いざというときにお客様に説明できるようにしておくしかないと思う。

 人権、人道、民主主義、法の支配といった価値観についても堅持したい。

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