わたしの意見-
水野 創

都道府県で差が目立つ第4波

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年5月27日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

 31日までの緊急事態宣言、まん延防止措置の延長が避けられない状況だが、今回経験している第4波にはいくつかの特徴がある(図表1~4)。

 ①首都圏1都3県は第3波よりいまのところ小さい。

 ②千葉県は相対的に落ち着いた動き。

 ③第3波後の減少は第1波、第2波に比べ特に首都圏で少なかった。

 ④前回の緊急事態宣言を先行して解除した大阪圏はGW前の4月中にピーク、既に減少傾向。

 ⑤北海道、愛知、岡山、広島、福岡、沖縄は5月まで増加。人口10万人あたりも高水準。

 これらの地域的な差が生じる理由は直観的には、①緊急事態宣言等の抑制効果は昨年ほどではないが存在する、②第3波が大きくその後減少幅も小さい段階で第4波に入った首都圏はこれまでの学習効果が働いている、③地方はGWの人流の影響がその後表れ、変異株広がりで加速しやすい、④地域により医療体制、陽性者の隔離体制等対応力に差があるなど、多くの要因が影響しているのだろう。

 ワクチン接種の浸透まで、これまでの手法で頑張るしかないが、そのためにも、地域による動きの差とその背景にも注目していきたい。

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