わたしの意見-
水野 創

6月、いよいよ国勢調査速報発表

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年6月1日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

 今日から6月、いよいよ昨年10月1日に実施された国勢調査の人口(速報)が公表される(25日予定)。

 5年ごとの国勢調査の人口は、調査票により実際の人数を数えたもので、前回国勢調査結果に住民基本台帳等による自然増減、社会増減を加減して公表される毎月の推計値とは異なる重みを持つ。

 千葉県では、2015年、2010年の2回の国勢調査で実数が推計値を上回り、逆に2005年、2000年の国勢調査では、実数が推計値を下回っている(図表1)。2000年にはその差が2.5万人に達した。

 今回は、昨年10月1日時点の推計値が628万人と、前回国勢調査結果の622万人を6万人上回っており(図表2)、前回比増加を続けていることは間違いないと思うが、以下の2点に注目したい。

 ①前回国勢調査後に行った将来人口推計との比較。
推計値は、当社の将来人口推計の中位推計(627万人)を上回り上位推計(630万人)に迫っていた。コロナ禍逆風の中で、この評価を維持できるか。

 ②当面の前年比減少がどうなるか。
月次の推計値はコロナ禍の影響で昨年5月の629万人をピークに横ばい・減少傾向にあり、2021年3月には前年を下回るに至っている(図表3)。調査後は2010年、2015年のような国勢調査により底上げされたグラフになるのだろうか。

 人口は地域の元気を示す分かりやすい指標だ。特に国勢調査の結果は将来にわたって基準となる。元気な数字となるよう願いたい。

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