わたしの意見-
水野 創

国勢調査速報-2つの驚きと1つの確信

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年6月29日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

  国勢調査の速報が公表された(25日)。

 まず「2つの驚き」から(図表1)。

 ①人口減少幅が縮小したこと
日本は自然増減の減少局面に入っており、少子高齢化の下、その減少幅は年と共に拡大している。それにもかかわらず人口全体の減少幅が縮小しているのは、海外からの入国超の大きさを示している。今回未発表の外国人数が発表される11月の人口等基本集計の結果に注目したい。

 ②東京都への人口流入の大きさ
最近4回の国勢調査結果を見ると、一都三県の中でも東京都集中の勢いを改めて確認できる。今回はコロナ禍の影響が一部表れているはずだが、それを上回る人を引き付ける魅力・働く場があるのだろう。コロナ禍以降の東京都から3県への人の流れを定着させるには、交通インフラ整備による一体化とその中での各地特有の魅力が必要だ。

 次の「1つの確信」は、千葉県人口は今後も高水準を持続すること(図表2,3)。

 千葉県の結果は、これまでの将来人口推計の中位と上位の間で、都市部の若年層・子育て世代中心の高い転入超(流山市、印西市等)、一部地方部での地方創生の奏功(一宮町、富里市等)を示している。2025年前後にピークを迎えた後も、当面は千葉県の人口は現状程度の高水準を持続するだろう。

 とても励みになる速報結果発表だった。

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