わたしの意見-
水野 創

続・国勢調査速報-千葉県の勢い

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年7月5日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

  国勢調査速報について、前回「とても励みになる」と感想を書いたところ、「人口減少幅が拡大している自治体が23(約4割)もあるのに」とのご指摘をいただいた。

 そこで、全国の中での千葉県の評価と、東京圏1都3県における市町村別増減状況を補足したい。

 ①全都道府県の中で、人口増加率が前回を上回っているのは東京圏1都3県と福岡県の5都県のみ(表1)。

 そのうち千葉県の増加率拡大幅は0.9ポイント(前回の0.1%から1.0%に)で東京都の1.4ポイント(同2.7→4.1)に次いで2番目(神奈川県0.4、埼玉県・福岡県0.1ポイント)。

 この間、前回を上回る減少率となっているのは33道府県に上る。

 ②自治体別人口増減(人数、率)の全国上位20を見ると、人数でも率でも千葉県の健闘ぶりが目立つ(表2、3)。

 増加人数では流山、船橋、市川、松戸、柏の5市が入り、他の1都2県を上回る。この間、横須賀市は減少人数で4位に入っている。

 増加率では流山、印西の2市で、埼玉県と同数だが、上位20のうち人口10万人以上はこの両市のみ。都市部で規模の大きい市が高い伸びを示したことが注目される。

 こうした結果は、東日本大震災後の復興の取り組み、交通インフラ整備、子育て支援等の充実、地方創生のまちづくり等の努力の反映である。地域の潜在力により努力がどの程度結果につながるかには差があるが、東京都を除き、努力なしに人が集まってくることは期待できないと思う。

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