わたしの意見-
水野 創

国勢調査と人口統計-差は52万人

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年7月21日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

  国勢調査は5年に一度、その間の人口は国勢調査結果に毎月の自然増減、社会増減を加減した推計値を利用している。

 今回の国勢調査による日本の人口は126,226,568人、2015年国勢調査を基準にした2020年10月1日の推計値(2021 年3月発表)比518,186人多かった(表1)。

 全員がきちんと住民登録手続きをするわけではないので、この差は国勢調査の都度生じる。

 2010年の国勢調査では日本の総人口のピークを確認したが、今回も、2015年調査比、人口減少幅が拡大していないこと、すなわち、自然減の増加を社会増(入国超)でカバーしていることが分かった。

 具体的に、5年間の自然・社会増減から見た特徴は以下の通りだ(表1、2)。

 ・自然増減は2006年に減少に転じた後、減少幅は急速に拡大中。

 ・リーマンショック後、日本人の出国超幅は縮小していたが、2015~2020年はコロナ要因も加わって入国超に転じた。

 ・外国人の入国超幅は2019年までには着実に拡大していたが、コロナ禍の2020年は小幅な増加にとどまった。

 国勢調査により上振れる52万人の、日本人・外国人内訳が分かると、この5年間の人口減少幅縮小に対する、日本人の帰国超、外国人の入国超の寄与がより明確になる。外国人の割合が大きければ、コロナ禍一巡後の外国人増加もより大きくなるだろう。

 11月の人口等基本集計による外国人数の公表を待ちたい。

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