わたしの意見-
水野 創

「関東ブロック新広域道路交通ビジョン・計画」の地域像

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年8月4日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

  国土交通省関東地方整備局が標記(関東1都6県+長野・山梨県)をまとめた(7月)。

 ブロックの全体図を見ると(図表1)、20~30年の中長期を展望し、以下の通り、圏央道の内側・外側でネットワーク像が大きく異なることが分かる(空港・港湾等とのアクセス強化、老朽化対応、災害に備えたリダンダンシー・国土強靭化推進は両者共通)。

(注)広域道路のうち、高規格道路分を表示。一般広域道路を含めると圏央道の内側・外側の差は一段と明確になる。広域の図を縮小したため、図表中の文字を含め、関東地方整備局のホームページをご参照ください。

 ①東京圏では、圏内拠点間の連絡、環状道路の整備により、競争力や魅力を向上。

 ②東京圏以外については、核となる都市間の連絡を強化し、交流・連携を促進。

 ブロック内で、東京圏の1都3県と他の5県とは人口の集中・減少の差が拡大している(図表2)。ネットワーク整備に資源制約があり、メリハリをつけた対応は当然だ。東京都一極集中の是正が急務であることを考えると、今後、東京圏内で、東京都と3県を結ぶネットワークの整備を早急に行うという、優先順位の議論も重要になる。

 経済界としても、計画の早期実現に向け、機運を盛り上げていきたい。

 また、道路ネットワークの整備は定住・交流人口のほか、経済活動、地価等に幅広く影響する。考えかたの基本は、今後の事業展開を考える際の前提条件の一つとして押さえておく必要がある。

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