わたしの意見-
水野 創

確実に進む高齢化

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年8月23日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

  社会・経済の現状と先行きは高齢化の進行を抜きに語れない。内閣府の高齢社会白書(令和3年版。6月公表)によると2020年の高齢化率は28.8%。2010年の22.8%対比では6.0%ポイントの上昇になる(図表1)。

 上昇は地方で先行しており(最も進んでいるのが秋田県)、人口流入の続く東京圏は、高齢化率は相対的に低いが、人数では地方を大きく上回っている(図表2)。

 先行き、2045年の推計では、地方は高齢化率・上昇、人数・減少の組み合わせなのに対し、東京圏では高齢化率、人数共に上昇・増加する。

 また、高齢者の中でも、今後、70、80、90歳以上とより高齢な人の割合が増える(図表3)。

 千葉県は、全国の縮図で県内に人口増加地域と減少地域を持ち、それぞれの特徴を持つ自治体の高齢化率も同様の動きと推計されている(図表4)。

 こうした将来展望の下では、国が国民に安心できる年金・医療・介護制度を示すことがこれまで以上に求められる。一方、国民は、出来るだけ長く元気に、社会で活躍することが期待され、また、企業としても一人当たり生産性を高める必要がある。

 地域にとっても、これらが実現しやすいような環境を整備することが重要だ。

 新たな健康関連商品・サービスの提供、医療、介護、独居高齢者の見守り等の自動化・ロボット活用はもとより、一人乗り自動運転自動車、宅配用ドローンの実用化とそれらが動きやすい環境整備、住宅リフォームなど、民間部門が貢献できる分野も多いと思う。

 企業家精神が大いに発揮され、地域の魅力が増すよう期待したい。

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